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AI社員の作り方【実録】小さな会社がAIに仕事を任せる仕組み

目次
  1. 「聞くAI」と「任せるAI」は別物です
  2. 実録・AI社員の1日——弊社で毎日動いている仕事
  3. 1つの仕事がどう流れるか——「承認の関所」を最初に決める
  4. 仕組みの正体は「会社の資料室」——特別なシステムではありません
  5. 作り方3ステップ——今日から始める場合
  6. 会社の事実
  7. 文章のルール
  8. やってはいけないこと
  9. 迷ったら
  10. うまくいかない会社の2つの共通点
  11. 弊社の失敗談——止まって、膨らんで、間違えかけた
  12. 費用の話——いくらで、どこまでやれるのか
  13. 任せてよい仕事・まだ任せない仕事——弊社の安全ルール
  14. よくある質問
  15. まとめ——AI社員は「雇う」ものではなく「育てる」もの

7月20日から、Claudeの最上位モデル「Fable 5」が、月額プラン(MaxとTeamの上位プラン)に追加費用なしで含まれるようになりました。ニュースとしては地味に見えますが、私はこれを「AIに仕事を任せる働き方が、ようやく月額の範囲に降りてきた節目」と受け取っています。

というのも、私の会社ではAI社員が毎日働いています。毎朝7時30分、誰も指示していないのに動き出し、夜23時55分に日報を書いて1日を終えます。冗談でも比喩でもなく、実際の運用の話です。

この記事では、その裏側を実際の数字ごと公開しながら、次の3つの疑問に答えます。

  • AIに仕事を任せるとは、何をどこまで任せられるのか
  • 費用はいくらかかるのか
  • プログラミングができない会社でも作れるのか

うまくいった話だけではフェアではないので、同期が3日間止まっていたのに誰も気づかなかった話など、弊社の失敗談も隠さず書きます。内容は2026年7月22日時点の公式情報と、弊社で実際に動いている仕組みがもとです。先にひとつだけお伝えすると、始めるだけなら月3,000円ほどのプランで今日から試せます。ここから順番に説明します。

「聞くAI」と「任せるAI」は別物です

結論から言うと、ChatGPTやGeminiに質問して答えをもらう使い方と、AIに仕事を任せる使い方は、同じAIでも別物です。

それだけ聞くとよく分からないと思うので、たとえ話をします。聞くAIは、カウンター越しの案内係です。何を聞いても丁寧に答えてくれますが、カウンターの内側から出てきて、あなたの机の書類を触ることはありません。任せるAIは、席とパソコンを与えた新入社員です。会社のフォルダを開いて、資料を読んで、ファイルを作って保存するところまで自分でやります。

この「任せるAI」の代表が、Claude Code(クロードコード)というツールです。名前にCode(プログラム)と付いているので専門家向けに見えますが、実体はパソコンの中のフォルダを開いて、ファイルを読み書きし、作業を最後まで実行するAIです。黒い画面だけでなく、ふつうのデスクトップアプリやブラウザからも使えます。

なので、議事録のファイルを渡して「要点をまとめて」も頼めますし、資料のフォルダを渡して「先月の報告書と同じ形式で今月分を作って」も頼めます。逆を返せば、フォルダを与えない限り、AIはあなたの会社のことを何ひとつ知らないままです。ここが今日いちばん大事な前提になります。

聞くAIと任せるAIの違い。聞くAIは答えて終わり、任せるAIはフォルダを開いて資料を読み、ファイルを作って納品までやる

実録・AI社員の1日——弊社で毎日動いている仕事

弊社は熊本の小さな会社で、企業向けの生成AI研修とAI導入支援をしています(累計90社以上)。その会社の裏側が、いまこうなっています。

まず、AI社員の1日の時刻表です。

  • 5時30分(月・水・金) ブログ担当が記事を書き、決めておいた検査を通して公開まで済ませる
  • 7時30分 秘書役が「承認待ちのメール下書き・返信していないメール・今日の締切」を1枚にまとめて報告してくる
  • 7時50分 SNS担当がその日の投稿を出す(文体と内容のルールは事前に決めてある)
  • 10時 点検係が、社内資料の古くなった箇所を洗い出す
  • 毎時20分 会議係が終わったばかりの打ち合わせを確認し、次のアクションとお礼メールの下書きを作る
  • 17時50分 SNS担当が夕方の投稿を出す
  • 22時30分 情報収集係が、私が日中に「気になる」と印を付けた記事や動画を要約して資料室へ入れる
  • 23時30分 会議係がその日のZoom録画を整理し、決定事項とTODOをダイジェストにする
  • 23時55分 日報係が1日の作業記録から日報を書いて締める

週単位・月単位の仕事もあります。毎週月曜の朝は1週間の発信の振り返りレポート、火曜と金曜はGoogleの店舗情報ページ向けの投稿文づくり、毎月1日はニュースレターの下書き。さらに、2分ごとに資料の変更を自動保存する係もいます。定時の仕事は全部で18本(毎日9本・毎週5本・毎月1本・常駐2本など)。直近2週間の記録を数えると、会社の資料への保存・更新は279回あり、うち約4割(104回)は、人間が何も指示していない時間帯にAIだけで動いたものでした。成果物の置き場には、研修資料・見積・提案書・議事録など、すでに25社分のフォルダが並んでいます。

ちなみに弊社では、AI社員に名前を付けています。メール担当の文屋(ふみや)、研修資料担当の紙谷(かみや)、SNS担当の小鳥遊(たかなし)、夜中に日報を書く夜船(よふね)——現在10名。遊びに見えると思いますが、「1人に1つの担当を持たせる」設計を分かりやすくするための工夫です。担当を曖昧にしたまま何でも頼むと、AIも人と同じで仕事が雑になります。

弊社のAI社員組織図。1人に1つの担当で現在10名。メール担当の文屋、研修資料の紙谷、SNS担当の小鳥遊、日報担当の夜船、見積・補助金の佐々木など

正直なところ、最初からこう回っていたわけではありません。弊社の資料室には、AIの仕事への赤入れをルールとして書き足した跡が何十箇所も残っています。その積み重ねの結果が、いまの時刻表というところです。

AI社員の1日。7時30分に朝の報告、毎時20分に会議フォロー、22時30分に情報収集、23時30分に録画の整理、23時55分に日報を提出。指示ゼロで回る定時の仕事18本

1つの仕事がどう流れるか——「承認の関所」を最初に決める

時刻表だけ見ると「勝手に動いて大丈夫なのか」と思われるはずです。なので、1つの仕事の流れを最初から最後まで見てください。会議のフォローを例にします。

打ち合わせが終わると、会議係のAIが録画と文字起こしを確認します。まず資料室のルールを読み、次に「決定事項・宿題・期限」を整理し、参加者へのお礼メールの下書きまで作ります。ここまでが全自動です。ただし、メールは下書きフォルダに置かれるだけで、送信されません。翌朝7時30分、秘書役が「承認待ちの下書きが3件あります」と私に報告し、私は中身を確認して、直すところがあれば直して、送信ボタンだけ押します。

つまり弊社の設計は「AIが最後まで走り、外に出る直前に必ず人間の関所を通る」です。関所は3種類だけに絞っています。

  1. 外に出るもの(メール・SNS・公開文書)——人間が承認して送信する
  2. お金と契約(見積・請求・申込)——人間が数字を検算して確定する
  3. 初めてやる種類の仕事——最初の1回は人間が横で見る

逆を返せば、この3つ以外は任せ切る、と決めています。関所を増やしすぎると人間が渋滞の原因になり、少なすぎると事故が起きます。この線引きを最初に紙に書くことが、AI社員づくりの実質的なスタートです。

仕事の流れと関所。依頼を受ける、資料室を読む、AIが作業と下書き、人が確認して送信、直しはルールへ。外に出る直前は必ず人間が確認する

仕組みの正体は「会社の資料室」——特別なシステムではありません

種明かしをすると、弊社のAI社員の本体は、高価なシステムでもオーダーメイドの開発でもなく、ただのフォルダとファイルの集まりです。

弊社にはAI社員が読む「会社の資料室」フォルダがあり、中身は405個のメモファイル。構造は3層だけです。

  1. 全社ルール(11個)——「メールの返信は必ず過去のやりとりを引用する」「ログイン情報には触らない」など、誰が読んでも守れる決まりごと
  2. 部署(4つ)——研修・営業・マーケティング・バックオフィス。それぞれに部署のルールが1枚
  3. 担当ごとの仕事手順書(13枚)——見積の作り方、日程調整の段取り、スライドの作り方。新入社員に渡す業務マニュアルと同じ

AI社員は、仕事のたびにこの資料室を読んでから作業に入ります。つまり弊社で起きているのは「AIが賢いから会社が回る」ではなく、「資料室が揃っているから、どのAIが来ても同じ品質で働ける」という状態です。

この資料室は、作って終わりの倉庫ではありません。会議係が毎晩その日の打ち合わせのダイジェストを書き足し、日報係が1日の記録を残していくので、放っておいても会社の記憶が毎日積み上がっていきます。人間の会社で言う「あの件、誰か経緯を知ってる?」が、フォルダを検索すれば出てくる状態です。

メモの置き場所には、Obsidian(オブシディアン)という無料のメモアプリを使っています。選んだ理由は1つで、メモの実体が「ただのテキストファイル」としてパソコンに残るからです。特別な形式ではないので、Claude Codeがそのまま開いて読めます。

逆を返せば、あなたの会社に業務マニュアルや議事録がすでにあるなら、AI社員の教科書は半分できています。ゼロから何かを発明する話ではありません。

AI社員の本体は資料室。ただのフォルダとファイル405枚。全社ルール11個、部署のルール4つ、仕事の手順書13枚の3層構造

作り方3ステップ——今日から始める場合

弊社の形をそのまま真似る必要はありません。最小の形は3ステップでできます。

手順1: フォルダを1つ作り、「会社の事実」を1枚書く

パソコンに「AI資料室」フォルダを作り、メモを1枚だけ入れます。書くのは、会社の基本情報、商品・サービス、お客様への言葉遣い、やってはいけないこと。この章の最後にコピペで使える雛形を置いておきます。15分で書ける粗さで大丈夫です。

手順2: Claude Codeを入れて、そのフォルダを開く

Claudeの有料プラン(Proなら月20ドル・日本円でおよそ3,000円)に入り、パソコン版のアプリを入れます。やることは4つだけです。

  1. claude.com でProプランに登録する
  2. デスクトップアプリ(Windows/Mac)を入れる
  3. アプリを起動してサインインし、Code(コード)の画面を開く
  4. 「フォルダを開く」で、手順1で作った「AI資料室」を指定する

プログラミングの環境構築は要りません。ブラウザ版もあるので、アプリを入れにくい会社のパソコンでも試せます。

手順3: 仕事を1つ頼み、直した点をメモに書き足す

「この議事録を要約して、参加者へのお礼メールの下書きを作って。言葉遣いはルールのメモに従って」のように頼みます。出てきたものには、直したい点が必ずあるはずです。ここが分かれ道で、口頭で直して終わりにせず、直した内容をルールのメモに1行書き足してください。弊社ではこれを「赤入れの還元」と呼んで、全作業の締めにしています。同じ指摘を二度しなくて済むようにする——AI社員の「教育」は、これがすべてです。

実例を1つ。弊社の研修資料担当(紙谷)に最初にスライドを作らせたとき、文字が小さくて読みにくいものが上がってきました。そこで手順書に「本文の文字は32pt以上。入り切らなければ小さくせず、ページを分ける」と1行足しました。それ以降のスライドは全部読みやすくなり、同じ赤入れは一度もしていません。教育とは、この1行の積み重ねです。

作り方3ステップ。事実を1枚書く、Claude Codeで開く、直したらルールに追記。月3,000円ほどで今日から始められる

最初の1枚の雛形です。そのままコピーして、中身を自社に書き換えてください。

会社の基本ルール

会社の事実

・社名/所在地/事業内容:(3行で) ・主な商品・サービスと価格帯: ・よくあるお客様と、よくある依頼:

文章のルール

・お客様への文面は「です・ます」。絵文字は使わない ・社内向けのメモは箇条書きでよい

やってはいけないこと

・お金と契約の数字を、人の確認なしで確定させない ・お客様の名前が入った情報を、この資料室の外に出さない ・メールやSNSの「送信」は行わない(下書きまで)

迷ったら

・判断に迷ったら作業を止めて、選択肢を2つ出して相談する

最初の1枚の雛形。会社の事実、文章のルール、やってはいけないこと、迷ったら相談の4項目だけで動き出す

おまけ: 最初の1週間で使える「頼み方」3本

頼み方にもコツがあります。新入社員への依頼と同じで、完成の形・使う材料・やらないことの3点を伝えると、精度が一気に上がります。弊社で実際に使っている形をコピペ用に3本置いておきます。

1本目は、会議のあとの定番です。

この議事録ファイルを読んで、決定事項・宿題と担当・期限の3点でまとめてください。そのあと参加者へのお礼メールの下書きを1通作ってください。言葉遣いは「会社の基本ルール」のメモに従い、送信はしないでください。

2本目は、毎月の報告書づくりです。

このフォルダにある先月の報告書と同じ構成で、今月版の下書きを作ってください。まだ数字が分からない箇所は空欄にして【要確認】と印を付けてください。

3本目は、調べ物です。

◯◯について調べて、A4一枚に「結論3行・比較表・注意点」の順でまとめてください。分からないことは、分からないと書いてください。

共通のコツは、「〜しないでください」を必ず1つ入れることと、分からない箇所を勝手に埋めさせないことです。AIのもっともらしい間違いの大半は、この2つの指定で防げます。

うまくいかない会社の2つの共通点

世界95カ国のCEO約4,500人への調査(2026年1月発表)では、AIで「売上増とコスト削減の両方を実現できた」と答えた経営者は約1割でした。使えるツールは同じなのに、なぜ差が出るのか。海外の実践者も同じ整理をしていましたが、私の実感でも、原因はほぼ次の2つに集約されます。

共通点1: 資料室に「ネットの一般論」を入れてしまう

AIは、ネット上の知識を最初から持っています。なので、ネットで拾った営業ノウハウやAI活用術を資料室に入れても、AI社員は1ミリも賢くなりません。価値があるのは、世界であなたの会社しか持っていない情報——商品の実際の説明、過去の見積もり、お客様とのやりとり、そして「うちはこういう時、こう判断する」という基準です。

共通点2: 「どのAIが最強か」を追いかけてしまう

新しいモデルが出るたびに乗り換えを検討するより、モデルの使い分けを人事配置として考える方が成果に直結します。弊社では、仕事の設計と最終チェックは最上位モデル(いまはFable 5)、量をこなす実作業は標準モデルを複数同時に、と役割を分けています。全部を最上位モデルにすると費用と時間が無駄になり、全部を安いモデルにすると品質の管理が人間に返ってきます。会社の人事と同じです。

もしいま、ChatGPTなどを触り始めているなら、それは十分な前進です。順番を変えるだけでいい。ツール選びからではなく、資料室づくりから始めてみてください。

成果が出ない2つの共通点。ネットの一般論を資料室に入れてしまう、最強のAI探しが続く。答えは自社の事実と人事配置

弊社の失敗談——止まって、膨らんで、間違えかけた

きれいな話だけだと信用されないと思うので、実際にやらかした話を3つ、教訓ごと置いておきます。

失敗1: 同期が3日間止まっていたのに、誰も気づかなかった

弊社の資料室は複数のパソコンで同期しています。安全第一で「少しでも様子がおかしければ全部止める」設計にしていたら、些細な引っかかりで同期が丸3日止まり、その間、誰も気づきませんでした。自動化の怖さは暴走ではなく、静かに止まることの方が多いです。以来、「動いていることを毎朝確認できる報告」をAI側の仕事に足しました。自動化には、動いている証拠の見える化をセットにしてください。

失敗2: 道具の利用料が、思わぬところで膨らんだ

SNS運用のためにAI社員へ外部サービスとの連携を持たせたところ、後から料金を見ると、費用の9割が「投稿」ではなく「読み取り」で発生していました。人間なら無料の「眺める」が、道具経由だと課金対象だったわけです。以来、道具を持たせる前に料金の仕組みを確認し、「読み取りには使わない」と資料室のルールに書いてから渡すことにしました。

失敗3: 音声入力の誤変換で、宛名が別人になりかけた

音声入力でAIに指示を出すと、人名がよく似た別の名前に化けることがあります。よくある苗字が一字違いの別の苗字になり、メールの宛先候補が実在の別の方になりかけました。以来、宛先は必ず連絡先台帳と照合して本人を特定してから作業する、という全社ルールを追加しています。

3つに共通するのは、事故のたびにルールが1行増え、それを読むAI社員全員が同時に賢くなることです。人間の組織だと「周知徹底」に何度も朝礼が要りますが、AI社員は次の仕事から全員が新ルールで動きます。失敗が資産に変わる速度は、正直、人間の組織より速いです。

弊社の失敗3連発。同期が3日止まって見える化を追加、読み取り課金で上限を先に決めるルール化、宛名の誤変換で台帳と照合を徹底

費用の話——いくらで、どこまでやれるのか

弊社の内訳は、おおよそ次の通りです。

  • 中心の費用: ClaudeのMaxプラン(月100ドルから・日本円でおよそ15,000円から)。AI社員の「人件費」はほぼここに集約されます
  • 道具の利用料: 図解などの画像生成に1枚10円以下。この記事の図解もAI社員がその単価で作っています
  • 無料のもの: メモアプリのObsidianは無料、定時実行はパソコンの標準機能、資料室はただのフォルダ

ただ、最初からMaxに入る必要はありません。

  • お試し期(最初の1〜2ヶ月): Pro(月20ドル・約3,000円)。使える量に上限はあるものの、議事録・下書き・要約を任せる分には足ります
  • 本格運用期: Max(月100〜200ドル)。上限が大きく広がり、複数の仕事を並行して任せられます

冒頭のニュースの意味もここにあります。7月20日から、MaxとTeamの上位プランでは、最上位モデルFable 5が週の利用枠の半分まで追加費用なしで使えるようになりました。「設計は一番良い頭脳に任せて、実作業は標準モデルで回す」という先ほどの人事配置が、月額の範囲で組めるようになった、ということです。

人を1人雇う場合と比べる話は、まだしなくていいと思います。まずは月3,000円で「よく気のつく秘書見習いが1人入った」くらいの期待値で始めて、任せられる仕事が増えたらプランを上げる。この順番をおすすめします。

正直なところ、お金より先に必要なのは「教育期間」の覚悟です。弊社も、いまの形になるまでは赤入れの連続でした。そこを越えると、書き足してきたルールが資産になって効き始めます。

費用の目安。お試しは月3,000円ほど、本格運用は月15,000円から、図解の画像は1枚10円以下。秘書見習い1人が月3,000円から

任せてよい仕事・まだ任せない仕事——弊社の安全ルール

AI社員は優秀ですが、位置づけはあくまで新入社員です。入社初日から実印を渡す会社がないのと同じで、弊社では線引きを全社ルールとして明文化しています。実物から4つ紹介します。

  1. 送信ボタンは人間が押す。メールもSNSも、AIは下書きまで。外に出る文章は人間の承認を通します(文体とルールを固めた定型の発信だけ、検査付きで例外にしています)
  2. お金と契約の数字は人が検算する。見積書・請求書の金額を、AIの計算のまま出さない
  3. 機密は最初から区分する。お客様の情報や財務は別フォルダに分け、AI社員が通常業務で読む範囲を決めておく
  4. 間違いは叱らず、ルールに書き足す。間違いの9割は、こちらの指示とルールの穴です

この4つを決めてから任せると、「AIが暴走したらどうしよう」という漠然とした不安は、「どこまで任せるかを自分で決めている」という感覚に変わります。精神的には、ここが一番大きい変化かなと思います。

弊社の安全ルール4つ。送信は人間が押す、お金は人が検算、機密は別フォルダ、間違いはルールに追記。新入社員に実印は渡さない

よくある質問

Q1: プログラミングができないと無理ですか?

弊社の仕組みの大半は、日本語のメモと日本語の指示だけで動いています。プログラムを書いたのは定時実行の設定など一部だけで、それもAI自身に作らせました。「作れる気がしない」の正体はたいてい最初の設定だけなので、そこだけ詳しい人かAIに手伝ってもらえば、あとは日本語の世界です。

Q2: 最初に何を任せればいいですか?

「毎週やっていて、手順を口で説明できて、間違えても致命傷にならない仕事」から選んでください。議事録の要約、メールの下書き、資料の下調べ、報告書の体裁づくりが定番です。逆に、金額の確定・契約・クレーム対応の本文は、最後まで人の手に残してください。

Q3: 会社の情報を入れて、漏れませんか?

2段構えで考えてください。1つ目はサービス側の設定で、入力した内容をAIの学習に使わせない設定・プランを選ぶこと。法人向けプランはこの点の扱いが明確です。2つ目は社内側の区分で、そもそも「AIに読ませないフォルダ」を最初に決めることです。弊社も、お客様の連絡先や財務はAI社員の通常業務から切り離しています。

Q4: WindowsでもMacでも使えますか?

使えます。Claude Codeには、パソコンのアプリ版(Windows/Mac)とブラウザ版があり、どちらもサインインすれば始められます。

Q5: 社員に「仕事を奪われる」と思われませんか?

任せる先を「誰の担当でもないのに、誰かが残業で吸収していた仕事」から選んでください。日報の整形、議事録、情報収集。ここから始めると、AI社員は敵ではなく「面倒な仕事を引き受けてくれる後輩」として受け入れられていきます。1人の社員に1つの業務で試すのが、定着の近道です。弊社の支援先でも、この入り方をしたハウスメーカーで、AIエージェント導入により一人当たり月20時間以上の業務削減につながった例があります。

Q6: ChatGPTをすでに使っています。乗り換えが必要ですか?

乗り換えは不要です。「聞くAI」としてのChatGPTと、「任せるAI」は併用が普通で、ChatGPT側にも同じ方向のツールがあります。ただ、最初の1人目のAI社員はどれか1つに絞った方が、ルールの書き足しが1箇所で済み、教育が早く進みます。

Q7: AIが変な方向に走り出したら、どう止めるんですか?

作業中はAIの行動が画面に逐一表示され、いつでも途中で止められます。それより効くのは、最初のルールに「迷ったら作業を止めて、選択肢を2つ出して相談する」と書いておくことです。弊社の体感では、派手な暴走よりも「静かに間違い続ける」方がずっと起きやすいので、途中経過を報告させる習慣の方が大事です。

Q8: 外出先やスマホからも頼めますか?

できます。ブラウザ版があるのでスマホからも指示できますし、弊社では社内の進捗が見えるダッシュボード画面を作って(これもAI社員に作らせました)、外からチャットで指示を送れるようにしています。ただ、最初の1ヶ月はパソコンの前で一緒に仕事をする感覚で使う方が、教育は進みます。

まとめ——AI社員は「雇う」ものではなく「育てる」もの

要点を3つに絞ります。

  1. AIに仕事を任せる鍵は、賢いAIではなく「会社の資料室」。ルール・部署・手順書のメモを、AIが読める場所に置く
  2. 作り方は3ステップ。フォルダを作る→Claude Codeで開く→頼んで、直して、ルールに書き足す。月3,000円ほどのプランから始められ、外に出る直前だけ人間の関所を通す
  3. うまくいかない原因は2つだけ。一般論を入れない・最強探しをしない。自社の事実を入れて、モデルは人事配置で使い分ける

種明かしをもう1つだけ。この記事の下書きと図解も、弊社のAI社員の仕事です。私の役目は、事実の確認と赤入れ、そして公開ボタンでした。作り話ではない証拠として、これ以上のものはないかなと思います。

今日の一手は、パソコンに「AI資料室」フォルダを作り、会社の事実を1枚のメモに書くことです。15分で終わります。これはAIのための作業に見えて、実は「うちの会社の仕事は何で、何を守りたいのか」を言葉にする作業です。なので、たとえAIの導入が半年先になっても無駄になりません。

まずはちょっと、メモ1枚から始めてみてください。弊社のAI社員10名も、最初はその1枚から生まれました。

始め方は、まず1人まず1業務。今日は会社の事実を1枚書く、今週は仕事を1つ頼む、来月は手順書を足す

弊社WizTryは熊本を拠点に、企業向けの生成AI研修とAIエージェント導入支援を行っています。この記事のような仕組みを自社でも作ってみたい、まず何から始めればいいか相談したい、という方はサービス案内導入実績をご覧ください。研修をお探しの方には熊本の生成AI研修、仕組みづくりから任せたい方には熊本のAIエージェント導入支援のページにまとめています。

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